ゴルゴ線を解消するには

ゴルゴ線の治療法

目の下から頬にかけてのくぼみを中顔面もしくはミッドチークラインと呼びます。一般的には漫画「ゴルゴ13」の主人公に由来する、ゴルゴ線といったほうが馴染みがあるかもしれませんね。
ゴルゴ線の原因ですが、頬の筋肉からの靭帯が皮膚を下に引っ張るため、皮膚にくぼみが生じることで形成されます。
さらに年齢とともに皮膚や筋肉が緩んだり、あるいは脂肪が減ってやせると、下垂して徐々に深くなってくるため、老け顔に見えてしまうとお悩みの方も多い部位です。
ゴルゴ線の治療には、ヒアルロン酸注入脂肪注入(ナチュラルファイバー)が最も効果的です。両者ともくぼんだ部分に注入し、ボリュームをつけて膨らませることでくぼみを消す治療法です。

しかし、一口にゴルゴ線といっても中には治療が難しいものや、正確な診断を要するケースがあるため、私は術前カウンセリングの中で慎重に診察するよう日々心がけています。

否典型的な症例

ここで、最近私がゴルゴ線の治療を担当させて頂いた患者様の中で、否典型的ないくつかの症例をご紹介します。

まずお一人目が、30代後半の方です。これまでにも数院でゴルゴ線のヒアルロン酸治療を行ったものの、思うような効果が得られませんでした。「もっともっと」と注入しては、今度は膨らみ過ぎてしまったためヒアルロン酸溶解注射を打った、という治療歴がありました。また、糸のリフトアップも受けたけど、こちらもあまり効果が無かったそうです。「何をすれば良くなるのか・・・」非常にお困りでした。 そこで、カウンセリングの際に患者様に詳しくお話を伺うと、「子供の頃からずっとゴルゴ線はあった」、「あんまり気にしてなかったのに、年齢とともに深くなってきたので目立ってきた」と仰ってました。
この方のように子供の頃からのへこみだと、より強固な靭帯に引っ張られているため、完全に消すことは困難な場合があります。それでも無理して沢山の量を注入すると、当然パンパンに膨らんでしまいますしね。
このような場合100%の改善は難しいのが現状で、私も非常に口惜しい思いをすることもありますが、消えにくい理由を正しくご理解頂き、70~80%程の改善度である旨などを術前にお伝えしておくべきでしょう。そうすれば、今回の患者様のように「どうすれば・・・」と路頭に迷ってしまったり、不要な治療を受けることは防ぐことができるのではないかと思います。
また別のパターンもあります。ある50代の患者様では、ゴルゴ線のくぼんで影になる位置に、肝斑というシミが重なっていました。ところが患者様自身はシミがあるとは認識しておらず、てっきりゴルゴ線を消すことで解消できると思われていたそうです。頬は肝斑や老人性色素斑といったシミができやすい部位です。しかし、意外と医師側もゴルゴ線とシミが同化していると、見落としやすいポイントになります。当然ゴルゴ線を治療してもシミは残るので、「ヒアルロン酸で良くなるって言ったのに・・・」となってしまうわけです。

もう一つ、これは比較的良くあるケースですが、目の下のタルミからシワが頬へ繋がっている場合です。一見ゴルゴ線に見えるのですが、この場合はハムラー法などの目の下のタルミ治療の方が良い適応になることがあります。

ゴルゴ線治療のためには適確な診断が必須

ゴルゴ線はヒアルロン酸注入や脂肪注入で非常に効果が得られる部位ですが、それは適確な診断があればこそだと思います。
今までにゴルゴ線の治療で効果が無かったという経験をお持ちの方は、きっと何かしらの原因があるはずです。一度詳しく見て欲しいという場合には、ぜひご相談くださいね。

この記事で解説したヒアルロン酸注入・脂肪注入(ナチュラルファイバー)の施術について詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
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